2021.11.30
松浦史料博物館~平戸藩松浦家の至宝 遥かなる千年の歴史~
県指定文化財「松浦史料博物館」
平戸城下を見下ろす場所に位置する松浦史料博物館は、平戸藩主松浦(まつら)家に伝来した資料を保存・公開しており、明治26年(1893)に松浦家の私邸として建てられた「鶴ヶ峯邸」を利用して昭和30年に博物館として開館しました。
松浦史料博物館は県内で最も古い建物となる博物館で、建物自体が県指定文化財となっています。
松浦家伝来の資料「3万点」
研究・管理主任で学芸員の「久家孝史(くがたかし)さん」に博物館内を案内してもらいました。
松浦史料博物館では3万点以上の資料を保管しており、その中には国指定や県指定の重要文化財も数多くありますが、その中から展示している一部の資料についてご紹介いたします。
狂獅子図屏風
獅子が描かれている金屏風は、江戸初期の幕府御用絵師の狩野探幽(かのたんゆう)の作であり、一枚の金屏風に一気に書いており、その画力がうかがえる作品。
伊良保(いらほ)茶碗
松浦家に伝来した高麗茶碗の中で、特に大事にされた茶碗であり、江戸時代から大変評判の良い茶碗であるため「使わずにお手本の器にしなさい。」と当時のお殿様が言葉を残したほどの名品。
陣羽織図
84点に及ぶ陣羽織の個性的なデザインが収録された資料。陣羽織は、当時、主に藩主が個性を出し遠くにいても目立つように着用されていた。
現代においてもデザインに携わる人には興味深い資料となっている。
豊臣秀吉「バテレン追放令」
天正15年(1587年)、秀吉が博多で突如発布したキリシタンバテレン追放定書として有名な文書。この禁令は日本国家がはじめてキリスト教の禁止を天下に表明したもの。
全文五か条からなり、キリスト教の伝道を禁じるとともに20日以内に宣教師の日本退去を命じ、布教に関係のないものは来住、通商を許可するとの内容。
以上、ほんの一部ですが貴重な資料についてご紹介いたしました。
松浦史料博物館は66年前まで旧藩主が実際に住んでいた邸宅を博物館にしていることから建物自体も貴重な資料となっています。
実際に海外メディアが取材に来た際は、昔ながらの建物で畳の間に展示がされている博物館は少ないことから、大好評をいただいているそうで、日本の”物”はやはり和の建築物のサイズに収まりがよく作られていることから、映像的にも非常に美しく映るようです。
茶室 閑雲亭(かんうんてい)
博物館の敷地内には、平戸藩最後の藩主が建てた草庵茶室である閑雲亭があり、ここでは呈茶も行われています(有料、要予約)。
江戸時代に藩主が平戸城下の菓子屋に命じて作らせた百種類のお菓子が収録された図録「百菓之図」から復元した「カスドース」、「烏羽玉(うばたま)」の2種類からお菓子を選び、茶道鎮信流により点てられたお茶と一緒にお楽しみいただけます。
特に烏羽玉は女性に大人気で、餡に黒ゴマを練りこんだものを求肥で包み、まわりに最高級の和三盆をまぶした材料にこだわったお菓子となっています。
「茶道の作法は気にせず、リラックスして堅苦しくなくいただいてほしい。」とのことでした。
松浦史料博物館は1年間有効の年間パスポートをふるさと納税返礼品としてご用意しております。
ご来館の際には、タイミングが合えば学芸員による説明を受けることができますのでご興味がある方は以下のリンクより返礼品詳細をご確認ください。
平戸市ふるさと納税体験型返礼品一覧