2021.09.30

あご(トビウオ)の干物~平戸の伝統の味~

あご風


夏の暑さも和らぎ、秋の気配が近づいてまいりました!

平戸では北風が吹き、あご(トビウオ)漁の最盛期を迎えております。例年9月頃に吹く北風を「あご風」と呼び、あご風が吹くとあご(トビウオ)が北風と伴に平戸近海に回遊してきます。

トビウオのことを「あご」と呼ぶようになった由来は「あごが落ちるほど美味しいから」、「硬くて食べるときにあごをよく使うから」など諸説あります。

創業60年、伝統の味を伝える”森崎水産”


今日は「株式会社森崎水産」さんで、今が旬の平戸名産あごの干物の加工を見学させてもらいました。

森崎水産は平戸市街地から車で約30分、平戸島の中ほどのきれいな海と山に囲まれた根獅子町に位置します。

 

森崎貴光さんに「あご」について教えてもらいました。貴光さんは森崎水産の3代目にあたり、高校卒業後、福岡の水産会社に就職、2年後に平戸に戻り実家の水産会社で働いています。森崎水産は創業約60年で、初代のお祖父さんのころは船で漁を行っていましたが、魚が取れなくなってきたため陸に上がり、水産加工業を始めたそうです。



平戸のあご漁は8月25日が漁解禁日で9月末から長くて10月半ばごろまで行われるそうです。今年のあご漁については台風が少なかったので例年と比べてもまずまずの量が獲れているとのこと。

あごの干物には小ぶりのあごが使用され、この小ぶりのあごは主に平戸近海でしか取れないそうです。

森崎水産さんでは旬の魚を使用して干物などの加工品を製造しており、今の時期はあごをメインに作っています。ほかの時期には一夜干しのアジやイカ、カマスなど脂がのった旬の時期に製造しています。

あごの干物の製造にあたっては、長崎県産の塩を使用し、冷凍ではなく生のその日獲れたあごを使用するようこだわっているとのこと。塩加減や鮮度、温度管理、乾かし方で店によって全然味が違ってくるそうです。

また、昔はあごの塩干や焼きあごなどしか製造していませんでしたが、焼かずにそのまま食べられるつまみあごなど便利な商品開発を行い、あごを食べなれていない方にも食べやすい、みりん味や明太子味など新しい味付けも展開しています。


熟練した加工技術


加工場を見せてもらいました。朝に市場で仕入れたあごを大きさ別に選別し、塩ふりを行い天日干しします。使用するあごはすべて平戸近海で獲れたもので、それをこの道20年以上のベテラン職人の手で選別作業が行われていました。(”目にもとまらぬスピードで熟練の技を感じます!”)

 

加工前のあごを見せてもらうと立派な羽が生えていました!この羽を使いシイラなどの大型魚から逃げるため海上を100mから200mほど飛ぶんだそうです。



加工場の外では、大量のあごが天日干しされていました。通常の干物であれば1週間ほど干すそうです。多い年にはこの時期にトロ箱5,000箱分、約60トンのあごの干物を製造するとのこと。

ただ、今は新型コロナウイルスの影響で注文数が激減しているそうです。旅行やお酒の集まりが減っているためお土産や消費量が減っているのとのことで、これがいつまで続くか、大変頭の痛い問題です。

 

上手な食べ方は?


「ガスのとろ火で・・・。」といっても難しいので、1,000ワットのオーブントースターで2~3分ほど、皮の表面が何か所かプクっと膨らんだら取り出して、包丁の背などで叩いてほぐすのがおいしい食べ方だそうです。美味しい平戸の新米やお酒と一緒に召し上がっていただけると最高ですよ!

寄付者様へメッセージ


平戸のふるさとの味をぜひ食べていただきたいです。あごは一度食べると癖になる味で、9月の新あごの時期になると直接「新あご獲れたら送って!!」と注文されるリピーターの方も多くいらっしゃいます。平戸を訪れることができなかった方やにもぜひ食べていただきたい昔ながらの伝統の味です!

おすすめスポット


近くのおすすめスポットについて聞いてみました。

なんといってもきれいな海です!近くには日本の水浴場88選に選ばれた「根獅子海水浴場」や「人津久海水浴場」という透明度が高く、きれいな砂浜の海があります。コロナ禍が過ぎ去った際にはぜひ訪れていただきたい平戸の人気スポットです。

 

実はこの日の早朝、貴光さんの第一子が誕生したとのこと。(”おめでとうございます!!こんな忙しい時にご対応いただきありがとうございました。”)



平戸にはあごのほかにも美味しい干物がいっぱいです。ぜひご覧ください!

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